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チェリーボーイとイノベーション


現在の日本の学校での評価は言わずもがな、
テストの点数や授業態度が勘案され数値化されるが、
社会における「評価」とは、答えの無い問いに、どのように向き合っているか、ということが重要であろう。

「向き合う」という漠然とした評価軸では心持ちが宜しくないので、ざっくり言うと、目標に対する「達成度」が指標となると考えている。

達成度は、数値化できる定量的なものであったり、5段階程度のレベルを設定し性質を計ることで評価する定性的なものであるが、教育的な観点からすると、

目標 = 学び

としたい。

達成度とは、一口に言えば、
「どのような学びがあったか?」
重要なことだと思う。

そんなことを日々考えているバカ親が、
2歳の息子と戯れた今日の出来事が
「チェリーボーイとイノベーション」だ。

「教育」という場に関わる方々、
自他の成長を望む方々、
社員やパートナーの教育に携わる方々、
僕のように育児に奮闘する親たちに
何か役立つこともあるかもしれないと思い、
徒然と書きなぐります。

====

晴天澄み渡る正月3日。
嫁が産後の入院のため息子2歳10ヶ月と二人暮らし中。
嫁と新生児の次男との面会を済ませ、20時。
帰り道に家の近くのイオン(息子はジャスコと呼ぶ)に立ち寄った。

野菜の鮮度の善し悪しを考えるなら文句無しに「SATAKEさん」が良いのだが。
年中無休のスーパーマーケットに有難さを感じるよりも
『盆正月くらいは休めよ』と思ってしまうのだが、
恩恵に預かるわけなのだから、仕方ない。

目的はトイレットペーパーだったのだが、
何気なく通りかかった果物売り場で事件が起こった。

息子が「アメリカンチェリー」を発見したのだ。

正確には「タスマニアから旬のおいしさを[オーストラリア産]」のチェリー。

息子:これがいいー!!
オレ:いやだ。
息子:いやーっ!これーっっ
オレ:え〜、だって鮮度あんまりだよ?
息子:これがいい。
オレ:他にも良いの良いの一杯あるよ…

という、まぁスーパーでよく見るような光景を再現する。

交渉に交渉の末、結局、
泣き崩れる息子に、オレがオレた。

会計を済ませた後も何だか納得できず
内心『くっそー、なんでやねん、くそー』と思っていたら、
袋詰めをしているオレに息子が声をかける。

息子:パパ?
オレ:あん?!
息子:(冷静)なんで、あん?!なの?なんで優しくお返事できないの?
オレ:・・・・
オレ:ごめん。なぁに?
息子:(ニコニコ)
オレ:・・・。

息子は発語が早かっただけでなく、
素晴らしくコンテクストを読む。

息子だけでなく、一般的に子供は実は2歳くらいから、ちゃんと周りの空気を読む。
「読む」ことが出来るが、それを「表現」に変えることや「伝える」ことは出来ない。
(伝えることが出来ない場合が多い。親が読み取る必要がある。
大人になっても伝えることが出来ないor下手な人も多いが。オレもそう。)

息子の場合、こちらの感情を捉えて「会話として言葉を構成する能力」が高い。
気づかせるのがうまいと思う。
これってコミュニケーション能力が高いってことなんだろうな。
などとどうでも良いことを考えつつ、
気持ちを切り替えて、チェリーを思い切り楽しもうと思い改めたのだ。。。

そんなわけで、21時帰宅。
正直、『今すぐ寝てくれ!』って思っているのだが、
息子は、もちろん戦利品を楽しみたいわけで、
早速チェリーを食うことに。

息子:(チェリーを指差して)これなんていうの?
オレ:えっ?チェリーだよ?
息子:タネは入ってる?
オレ:うん。
息子:ケイケイ(息子の呼び名)、食べれないの。タネとってー
オレ;えぇー、出来るよ
息子:できない、とってー

なんてこった。

息子はチェリー食ったことあるんじゃん。
忘れてたけど思い出したのね。
チェリーにタネがあることを。。。

オレ:出来るよ
息子:できない

の、押し問答を繰り返して
結局、またもやオレがオレた。

タネを取ってやるとうまそうに食うのだが、
何だか釈然としないので、タネの取り方を何通りか教えてやる。
しかし、『できない』の一点張り。

オレは、やってもみないのに『できない』というのが最もイヤなのだ。

でもねぇ。。。

できないって言っている人間に、
『出来るからやってみろ』というのはあまりに芸が無い。

更にだ、タネの取り方を手順を手取り足取り教えるというのも、
マニュアル主義的な気がしてしまうので、オレの性に合わない。

結果、デザイン思考で言うところの「Fail Fast, Learn a lot」を実践するのに格好の場と考えて、「できない」と言っている人間に「できる!」という成功体験をもたらすべく【家庭で出来るミニミニワークショップ】がスタートしたのだ。

・・・・。

結果から言うと、1分ほどのレクチャーの後、
放ったらかし(遠くで見守っている)と、
ものの10分も経たない内に。。。

息子:できたー!できたよー!!!すごーいっっ!!!!

と、大喜びしていた。

これこれ。

コレこそがイノベーションと呼べる。
いやいや、シュンペーターに申し訳ないので、
「個人的なイノベーション」と呼びたい。

今までの必然が、ちょっとした偶然によって、
成功体験を伴った新しい必然に変わる。

このこと自体は社会的なインパクトを考えると全くどうということも無い。
だって、一人でチェリーのタネを取って美味しく食べられるようになっただけだから。

しかし、このような成功体験が幼少期の原体験に刷り込まれているかどうかは
今後、彼が「人生を切り開く」上で、とても重要なことだ。

人生を切り開く?

大層なことだが、、、

子供達に伝えたいことは、
どんな困難に出会ってもチャレンジ精神を持って、打ち勝つ。
もしくは、困難や問題を総合して、解決のプロセスを楽しみながら、
新しいハッピーな必然を現実化させることに喜びを見出す人になってほしいということ。

オレ自身もそう。

日々精進。

結果として、
息子が猛烈に交渉して勝ち得た鮮度のイマイチな980円のチェリーは、
980円以上の価値があったのだ。
(とはいえ、近所のイオンにはもっとプライドを持ってほしいが。)

980円で得た(かもしれない)プライスレスなモノコト。
(1) 好奇心と欲求の発現
(2) 売買、契約の交渉
(3) ワークショップによる成功体験
(4) 父(オレ)の成長
(5) 父と子の絆

【本日の(オレの)教訓】
・単なる日常の風景も、物事の捉え方次第で素晴らしい体験になる。
・素晴らしい体験は、誰もが手に入れることができる豊かさだ。
・教えることで学ぶことが出来る。
・一方的に教えられるよりも、教える側に立つほうが、学びは10倍以上。
・「何を伝えたいか?」と同時に評価軸(評価方法)を設定し、何が成功かを明確にする。
・ある時点に達したら、目標を明確にする。(上の項目に同義)

【最後に皮肉な一言】
「タスマニアから旬のおいしさを」というキャッチコピーは刺さらない。

「パリッとジューシー、南半球からの贈り物」の方が良い。
(んー。。。ソーセージ?イマイチ。)

日々精進っっ!!

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・関連リンク

デザイン思考
http://designthinking.or.jp/

kameチェリーボーイとイノベーション
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