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「アンバンドル」ビジネスモデルに学ぶ!起業家&起業準備中もしくはビジネスモデルが気になる人のためビジネスモデルキャンバスを解説してみました。


ビジネスモデルとは、売る仕組み。もっと突っ込んでいうと、売れる仕組み。

「売る」「売れる」「仕組み」なんて聞くと、どうも無機質な響きがする〜とおっしゃる方は、「ビジネスモデル=商い(あきない)の知恵」と読み替えていただいて良いかと思います。

「ビジネスモデル=商いの知恵」を学ぶ

さて、「商いの知恵」には、勝ちパターンのようなものが存在します。
そのパターンは、商品・サービス・業種・業態を超えて、普遍的に使えたり、いくらでも応用が利くことが多々あります。

そんなわけで、昔から洋の東西を問わず、ビジネス業界やベンチャー界隈ではビジネスモデルの創出・研究が盛んに行われています。そこに、彗星のごとく現れたのが、「ビジネスモデル・キャンバス」という1枚のシート。

「1枚の紙に、様々にあるビジネスモデルを描くことができる」といったものです。
その解説本が、書籍「ビジネスモデルジェネレーション」なんですね。

この記事では、書籍「ビジネスモデルジェネレーション」の第2章:パターンの章で紹介されている「ビジネスモデルの5つのパターン」を学び、自身のビジネスモデルの整理や発想の手助けとし、アイデアをビジネスに育てようという趣旨です。

ところで、成功している企業においては、たった1つのパターンを採用しているんでしょうか?

と。

この聞き方をしたら、「そうじゃない」ってバレバレですよね。

そうです。
1つのパターンを採用しているだけではありません。

商いの知恵の結晶とも呼べる様々なパターンを事業の成長・規模・展開に合わせて、複合的に採用したり、統合撤退などを繰り返しながら、勝ちパターンとなるビジネスモデルを採用しています。

体力のある大企業でも、様々な模索をしている昨今。
比較的資力の乏しいベンチャー起業家においては、その情熱を一点に注ぐべく、ビジネスモデルの思考実験を行ったり、小さな実証実験を行うことが大事だと思います。

あ、でも。実験は実験ですから、実践が一番大事です。

では、書籍で紹介されている5つのパターンについて。

5つのパターン

  • アンバンドル
  • ロングテール
  • プラットフォーム
  • フリー戦略
  • オープンビジネルモデル

5つのパターンの理解を促すために、今回はAmazonの戦略を事例として分析します。
Amazonでは、5つのパターンをうまく取り入れながら成長を続けています。


アンバンドル・ビジネスモデル

アンバンドルビジネスモデルは、およそ全てのビジネスを分析する視点としてとても有用な考え方です。

アンバンドルとは、分解/分離を意味します。
アンバンドルの前提として、バンドル(統合・結合)している状態を理解しましょう。

全ての企業には、3つの仕事があるとアンバンドルの提唱者ジョン・ヘーゲル3世(マッキンゼーのコンサルタント)は定義しました。
それが、1.カスタマーリレーション(顧客管理)2. 製品イノベーション 3. インフラ管理です。
この3つの仕事は、お互いに相反する文化・目的を持っていると言われています。

それが、下記の表です。

 カスタマーリレーション(顧客管理)製品イノベーションインフラ管理
事業モデル顧客との関係性をより深いものにする。
成功要因はスコープ。
早い段階で市場に参入し、市場シェアを獲得する。
成功要因は、スピード。
コストを下げ、生産性を高める。流通の効率化などを行う。
成功要因は、スケール。
文化顧客第一主義。お客様は神様。
高度なサービスを提供。
従業員中心主義。
創造性の高い花形社員の育成。
コスト重視。標準化、効率を重んじる。
競争・スケールの拡大を求める
・統合が進む
・有能な社員を集める
・参入障壁は低い
・小規模なプレーヤーが成長
・スケールの拡大を求める
・統合が進む
・2.3の大規模プレーヤーが支配
(表引用:書籍「ビジネスモデルジェネレーション」P.59)

カスタマーリレーションと製品イノベーションは、文化面で衝突し、カスタマーリレーションとインフラ管理は、事業モデルで衝突。製品イノベーションとインフラ管理は事業・文化などで衝突する。

この衝突問題を起こす、3つの仕事をアンバンドルして解決しようというのが、アンバンドルビジネスモデルです。

ここで、重要なことは、ただ単にアンバンドルすれば良いということではありません。

前提として、全ての企業に3つの仕事がある。ということは、つまり言い換えると、全ての企業は、3つの仕事をしなければならない。さらに定義するならば、3つのうちどれかを欠いてもビジネスとして成り立たないということになります。

たとえば、アンバンドルして、カスタマーリレーションに注力するのであれば、製品イノベーションとインフラ管理はアウトソース(グループ企業内であっても)しなければなりません。


アンバンドルとリバンドル

そこで、アンバンドルの逆の考え方として、「リバンドル」という言葉を知っておく必要があります。
リバンドルとは、一度アンバンドルしたビジネスモデルを再統合するということです。

アンバンドルをするということは、すなわち「リバンドルの必要性が生まれる」ということに他なりません。

では、ここで再び問題です^-^;

アンバンドル→リバンドルの流れで、儲かるのは誰か…?

ん。

そうですね、コンサルタントです。

コンサルタントは、クライアント企業のアンバンドルとリンバンドルを上手に繰り返すことで、クライアント企業に利益をもたらすビジネスです。

ということで、起業家や経営者は、アンバンドルとリバンドルは対の概念として理解して、上手にコンサルタントや専門家とお付き合いしていく必要ある気がします。


それでは、ビジネスモデルキャンバスの事例を紹介します。

事例は、Amazonの「フルフィルメント by Amazon(FBA)」というサービスです。

中小企業のメーカーや輸入商社、小売のビジネスモデルをアンバンドル(リバンドル)することで、中小商社とAmazonの双方に利益をもたらしつつ、購入者(ユーザー)の利便性も向上させるという、Win-Win-Winなビジネスモデルです。

いや、本当にオソロしいビジネスモデルです。

このサービスでは、販売者は、Amazonの倉庫に自身の商品を納品するだけで、その後の販売・決済・配送・在庫管理は全てAmazonが行ってくれます。アンバンドルのうち、インフラ管理を一手に引き受けてくれるもので、カスタマーリレーションにも一役買ってくれます。

【フルフィルメント by Amazonの流れ】
1. 出品者(販売者)はAmazonに商品を納品する
2. Amazonの倉庫で商品を受領し、48時間以内にAmazon.co.jpで販売開始。
3. 購入があると、24時間365日発送を行う。
※購入者がプライム会員の場合は、最速で注文した当日に商品が届く。
※料金は、FBA料金(在庫保管手数料と配送代行手数料)と販売手数料がかかる

このフルフィルメント by Amazonをビジネスモデルキャンバスに描くと、こんな感じになるかと思います。


「フルフィルメントby Amazon(FAB)」ビジネスモデルキャンバス

フルフィルメントbyAmazonのビジネスモデルキャンバス
↑中小メーカーや商社の「インフラ管理」を引き受けつつ、「カスタマーリレーション」も引き受けているんですよね。

中小メーカー、商社のビジネスモデルキャンバス

フルフィルメントbyAmazonを利用しているメーカー・商社などのビジネスモデルキャンバス
↑ポイントは、中小メーカーや商社が、1つの仕事「製品イノベーション」に注力できるようになっていること。しかしですよ、中小メーカーさんは、カスタマーリレーションを全面的にAmazonにお任せしていいんですか!?なんて思います。カスタマーリレーションを少しでも取り戻すなら「アフターフォローのための製品登録」などと銘打ってメルマガに登録してもらうなど、積極的にユーザーとの関わりを持つのが良いかと。


ベンチャーにとって「アンバンドルビジネスモデル」とは?

では、ここで、スタートアップ時やベンチャー企業にとってアンバンドル(リバンドル)がどのような意味があるのか、順に考えてみましょう。

1. 事業(ビジネス)モデルを仮説する
2. 事業をブラッシュアップするために、事業内容を分離(アンバンドル)して考察する
3. どこ注力するべきか明確化し、検討する(得意分野は?キーリソースは?起業におけるコアコンセプトは?)
4. 3つの仕事を同時に起こすことが難しい場合(特にインフラ管理などは顕著かも)は、どこかアウトソースできるかどうか?パートナーは誰か?を問う。

例えば、営業の経験を活かすなら、カスタマーリレーションからスタート。技術畑なら、製品イノベーション。インフラやプラットフォームなどのネットワーク力を活かすなら、インフラ管理(物流でなくても、情報のインフラ管理などであれば、初期投資を小さくしてスタートできる可能性がある)。といった方法で、「得意」や「好き」を活かして、誰かの役に立つ仕事を作ることができると考えられます。

というわけで、比較的まじめなお話でした。

次回の記事では、ビジネスモデルパターン「ロングテール」について。。

※セミナーもやってます↓
http://www.stc3.net/seminar

kamemusic「アンバンドル」ビジネスモデルに学ぶ!起業家&起業準備中もしくはビジネスモデルが気になる人のためビジネスモデルキャンバスを解説してみました。
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